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月刊 花みずき

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月刊 経営一番

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編集後記
お陰さまで 創立30周年

業績31の原理

 経営一番 NO.204  2012年2月

〜ABCマート 接客力の源泉「チームビルディング」〜

 ABCマートでアルバイト個人売上げ全国ナンバーワンを獲得した成田直人さん。「どうしたら売れるか。どうしたらお客様が喜んでくれるか」を皆が考えていると話す成田さんの経験から、同社のチーム力の強さを探ってみる。

言い訳や愚痴を言わない組織風土
 私はABCマートに大学1年生の時にアルバイトで入社しました。同社の素晴らしい点は、販売のキャリアもない、靴の知識もない、何もない私をたった1年でアルバイト個人売上げ全国1位にまで成長させた仕組みです。
 入社して間もない頃は、全く売上げをつくることができず、当然、お客様、立地、商品の責任にしていて、私の口癖は「頑張っているけど」でした。頑張っているけど、売れないのは私のせいではない、と言い訳していた。だから成長しない、売上げは上がらない。そんな私を同社は仕組みを通して見事に変えてくれました。

 同社で学んだことを一言で表現するならば、「結果」です。同社の現場スタッフの結果に対するこだわりはどこよりも高かった。一人ひとりが高い販売意識を持って働いている点は、今思い返しても素晴らしい。一見結果にこだわるあまり売り込みすぎて悪い印象を与えそうですが、結果にこだわりつつもお客様の笑顔を念頭に置いた接客をどのスタッフもできている。お客様もニコニコしながら「それ下さい」と言っている姿にはいつも感心していました。

 私も同社で働く前は、一人のお客でした。スタッフの前向きな姿勢に憧れて入社したのです。一人ひとりが高い販売意識を持ち、結果をつくり出すためには売れる習慣を持つ必要がある。それは「言い訳や愚痴」を言わない風土で、皆が「どうしら売れるか」「どうしたらもっとお客様に喜んでもらえるか」を考えていた。
 私もつい「買わないのはお客様が見る目がない」「商品が定番のものばかりだから」と思ったりしましたが全く通用しません。むしろ接客に工夫を施さない限り、どんどん周りの成長に置いていかれてしまうほど皆の成長が早かった。

 自己成長は改善の積み重ねで生まれます。「頑張っている」と思い込み他責にすればそれまで。しかし、目の前の出来事に言い訳をせずに自責と捉えることで、改善と成長が加速する。この自責の風土が今の同社の人材力を作っているのではないかと思います。

◆ 手が空く時間をつくらない

  「お客様に1秒でも早く商品を提供する」。実際にお客様に分かるよう行っているのは、同社くらいではないでしょうか。勤務先は百貨店の1階と5階にあり、私は主に5階でした。例えば5階に商品がなくて1階にあるとき、普通は「申し訳ありません。1階に在庫があるので、1階に行ってみてください」と言いますが、私たちは従業員用の非常階段を駆け下り、在庫を見つけたらすぐに5階へ一気に駆け上がり、息を切らせながら接客に戻る。すると多くのお客様は「ここまでしてくれるのか」と思ってくださる。これが信頼、購買につながるのです。

また、人は手が空くとぼーっとしますが、暇な人が多い店には人は入らない。すぐに寄ってきそうなイメージがあるからです。できれば忙しくしてくれた方が入りやすいから、できる限り店内では忙しく見せるように工夫することが大切です。私も手が空けば、什器の掃除をしたり床を磨いたり店内の掃除を行いました。
その結果、次々と来店につながり売上げも上がります。掃除も終わって、本当にやることがないときは、靴ひもを一度ほどいて再度通す。とにかく手隙をつくらないことです。
それに、商品が好きであることが仕事に対するこだわりを生み、お客様の笑顔につながります。靴好きなスタッフに感化され、私の家にも一時、靴が100足以上ありました。(笑)

◆防水スプレーの販促で学んだこと
イベントで一番印象に残っているのが、防水スプレーの販売促進キャンペーンです。一定期間に防水スプレーを拡販するキャンペーンですが、本当に楽しかった。なぜなら、売れば売るほどお客様に感謝されることが分かったからです。初めは「えっ、なんで靴以外のものを売らなければいけないの?」と思いましたが、「商品は必ずお客様に必要なものである」とキャンペーンを通して教わりました。
防水スプレーは防水だけではなく、汚れ防止にも効果がありますが、お客様はそれを知りません。だから、汚れが付きやすい色の靴を避けてしまいがち。防水スプレーがあれば簡単に汚れが落とせるのです。スタッフが実際に使っているので確信しています。だから、自信を持って薦める、そうすれば売れてお客様に喜んでもらえるという善循環になった。客単価のアップと顧客満足のアップは両立するのです。

それまでは防水スプレーはお客様には必要ないだろうと勝手に判断して売ってなかった。しかし、必要かどうかはお客様が決めることで、私が決めることではないのです。必要性を理解してもらえなかったのは、むしろ私の接客に問題があると反省を促せるようになりました。
そこで私は白い靴を意図的に履き、防水スプレーを使えばこれだけ綺麗に履けるということをお客様に伝える工夫をした。その結果、ものすごい勢いで売れるようになりました。
このように売れるアイデアの創出や、スタッフ個々の販売姿勢にも影響を与え、お客様満足度も上がる施策を実施していた同社の姿勢には感銘を受けます。

働いている中で、一番衝撃を受けたのは個人売上げシステムです。ほぼリアルタイムでどのスタッフが、どの商品で、いくら売上げを挙げているのかが分かり、全国ランキングも出ます。このシステムは個人の成長には欠かせない手法です。売上げを誰が上げたのか分からなければ、褒めたり、反省を促したりもできません。曖昧な結果からは曖昧なフィードバックしかできない。成果を生み出すためには常に具体的でなければいけません。また他者と競わせることで成長意欲も高まります。

同社のように売上げを明確にすることで、スタッフに足りないものは何か、どの能力を伸ばせばよいのかも個人売上げを見ればすぐに分かり、前月との違いや来月の目標設定も具体的に行える。このように、先を読む力、現時点での実力、過去のノウハウの活用ができる個人売上げシステムを導入した同社には脱帽です。

   (ニュース出所 商業界 1月号)


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