消費税の中間申告と納税
事業者は、前課税期間(個人の場合は前年、法人の場合は前事業年度)の消費税の年税額(地方消費税額は含みません)が一定額を超える場合、消費税の中間申告と納税をしなければなりません。
中間申告の回数は、直税課税期間の年税額に応じ、48万円超は年1回、400万円超は年3回、4,800万円超は年11回です。
前課税期間の確定申告が終わった時点で、新年度の中間申告の回数と申告納付の時期が確定します。
前課税期間の消費税が増え、中間申告すべき回数が増える場合には、申告納付を失念しないよう留意が必要です。
法人税の中間申告は前期の税額にかかわらず年1回です。
中間申告は6か月経過後から2か月以内という固定観念をお持ちの場合、特に注意が必要です。
前期間基準の場合申告なしでも納税額確定
中間申告の方法は、前期間基準による申告と仮決算に基づく2つの方法があります。
中間申告期限までに申告書の提出がなかった場合には、前課税期間基準による申告書の提出があったものとみなされる特例が設けられています。
そのため、申告書の提出を失念した場合、前課税期間基準による納税額が確定しています。
納付が遅れると、期限後納付として延滞金等が発生します。
電子申告なら「お知らせ」メッセージ有
国税庁では、e-Taxで法人税申告書を提出した法人に対し、行政経費の削減に努めるため、法人税の予定申告書用紙を送付しないこととしています。
消費税は、当面、中間申告書用紙が送付されることとなっていますが、法人の電子申告利用率が法人税および消費税とも令和2年度で85%(令和3年10月発表)を超えたことを鑑みると、そのうち廃止されるものと思われます。
中間申告が必要であるという概念が抜け落ちているときに届いた税務署からの郵送物は、開封されぬまま放置されたりゴミ箱行きとなってしまっていたりのケースもありました。
前年分の申告を電子申告で行っていれば、中間申告対象期間の翌月の初日には、「消費税中間申告書提出についてのお知らせ」がe-Taxのメッセージボックスに格納されます。
そして、e-Taxの利用者登録情報に、会社担当者のメールアドレスと会計事務所のメールアドレスを登録しておくと、e-Taxメッセージが格納されたことが通知されます。
会社と会計事務所のダブル体制でうっかり失念の回避対策が図れます。