令和5年分の年末調整について、留意点はありますか?
― M社 ―
M社経理部まいと顧問税理士が、打ち合わせをしています。
そういえば。先生。
今年もそろそろ年末調整の時期ですね。
そうですね。
昨年(令和4年分)の年末調整のように、今年(令和5年分)の年末調整も大きく変わるところはないですよね?
そうですね。
まず、提出書類に大きく変更はありませんね。
昨年は、マル扶(令和5年分の扶養控除等(異動)申告書)について一部変更がありましたが、そのようなことは今年はありません。
あー、よかった。
用紙の記載項目が変わると説明が大変なんですよ。
そうですね。
じゃあ、今年は変更点はなし、と。
変更点がないわけではないのですが……。
国外の扶養者に対する扶養控除が見直されていますので、その点は変更点といえば変更点ですね。
特に年末調整時に確認する送金関係書類について、30歳以上70歳未満の『38万円以上の支払』欄にチェックを付している場合は、年間の合計で38万円以上となる送金関係書類を準備していただく必要がありますから。
弊社は今のところ該当する人はいませんが、送金関係書類の確認って大変そうですね。
そうですね。
じゃあ弊社にとっては、今年の年末調整で変更点がないということで理解しました。
この他、何か留意すべき点はありますか?
これも該当する人がいるかどうか、といったところになりますが……。
令和4年居住開始の住宅ローン控除を適用する人がいた場合には、留意いただきたい点があります。
令和4年分というと、今年から年末調整で住宅ローン控除を適用する人、ということですか?
ご理解のとおりです。
令和4年分では、旧制度と新制度いずれかの適用になっています。そのため、適用誤りがないようにしなければなりません。
そんなに違いがあるのですか?
たとえば新築の一般住宅の場合、借入限度額、控除率、所得要件が違います。所得要件は、床面積が40u以上50u未満の場合は同一なのですが……。
令和4年分ですね。承知しました。留意します。
ありがとうございます。
では最後に、電子データの取得範囲が拡大されまして、国民年金基金掛金やiDeCo、中小企業基盤整備機構の小規模企業共済等掛金の控除証明書が連携手続の対象となりました。御社におかれましては、電子化の導入はまだだと記憶していますが、マイナポータル連携も進んでいます、ということをご紹介しておきますね。
電子化は今年も見送ることになりました。
そうでしたか。
いずれにしろ電子化は国が推進していますので、今後も電子化を推していくための施策は講じられていくかと思います。
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